猛毒を持つヤマカガシ 毒を飛ばすって本当?
毒を持つ蛇というとハブやマムシを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
この2種類の蛇はニュースでも取り上げられることが多いですよね。
しかし日本にはそのハブやマムシよりも強い毒を持つ蛇がいるんです!
それがヤマカガシです。
しかもこのヤマカガシは北海道や離島を除く全国に幅広く生息し、川や田んぼでよく見られる蛇です。
結構身近な所にいるということですね。
日本でもヤマカガシに噛まれたという例があります。
また、蛇というと鋭い牙で噛みついて毒を注入するイメージだったのですが、なんとこのヤマカガシは毒を飛ばすことができるんです。
今回はそんなヤマカガシについてくわしくまとめていきます。
ヤマカガシってどんな蛇?
特徴についてまとめ。
まずはヤマカガシの特徴についてまとめます。
〇体長
80㎝から150㎝
〇好きな食べ物
小魚、カエル(特にヒキガエル)、ドジョウなど
〇色
地域によって違いがある。九州のヤマカガシは黒い斑紋が大きく、関東では赤い斑紋が大きい。近畿地方や中国地方では緑色っぽいものや青色っぽいものもいる。
〇毒
2種類(奥歯の付け根と頸)
マムシよりも強力な毒を持っていてその毒の強さは3倍程。ハブなら10倍程の毒の強さ。
ただ毒牙は小さく奥にあるため、噛まれても毒にやられる可能性は低い。
〇毒の症状
血液凝固機能の破壊。血が止まらなくなることで、皮下出血、歯茎出血、内臓出血、腎機能障害、血便、血尿などが起こる。重症だと脳内出血や急性腎不全を起こす場合もある。
噛まれてから数時間から1日ほど経過すると出血傾向が表れる。
〇性格
大人しく、臆病で自分からは攻撃しない。
こうした特徴を持つヤマカガシですが、その中で特に変わっているなと思った特徴を2つ紹介します。
まず毒ですが、奥歯の毒はヤマカガシの体内で作られます。しかし頸にある毒は、なんとヒキガエルの毒。大好物であるヒキガエルを食べてその毒を蓄えているそうなんです!
すごい能力ですよね。
そのためヒキガエルがいない地域に生息するヤマガカシの頸線部分には毒が入っていないと言われています。ただ、もし母親がヒキガエルを食べて毒を持っていた場合、それが子供に引きつがれることもあるのだとか。
そしてもう1つ変わっているのが攻撃態勢の時です。
大体の蛇は正面を向いて鎌首をもたげる態勢をとりますが、ヤマカガシは何と反対で背中を見せます。
「噛みつくぞ!」ではなく自分には毒があるということを前面にアピールして相手をひるませようとするんですね。
ここからもあまり攻撃的な蛇ではないことが分かります。
毒を飛ばすって本当?飛んだ毒を浴びたらどうなるの?
ヤマカガシが毒を飛ばすというのは本当です。
頸のところを強く刺激したり、圧迫してしまうと毒を飛ばすことがあるそうです。
液状の毒で、肌につくくらいでは特に問題ないそうですが、怖いのが目!
頸の毒が飛び散って目に入ってしまうと結膜炎、ひどければ失明してしまう危険性があるそうです。
そのため、ヤマカガシを捕まえようと頸のあたりを押さえたりしてしまうと本当に危ないですね。
ヤマカガシの怖い所はこうした怖い部分がまだあまり知られていない所。
先程まとめた毒が回りづらいという特徴から、ヤマカガシには毒があって危険だという認識があまり広がっていなかったそうです。
毒蛇だということが知られるようになったのは1970年代頃のこと。
しかしニュースなどではハブやマムシの被害が取り上げられることが多いので、ヤマカガシの怖さはあまり知られていないことが多いのだとか。
2017年には小学生の男の子がヤマカガシに噛まれて一時意識不明の重体になってしまったこともありました。
きちんと危険性を知っていれば防ぐことはできますので本当に気を付けたいですね!
ヤマカガシの対策
ではどのように対策をしたら良いのでしょうか?
一番の対策は捕まえようとしないことです。
色々調べましたが、これが一番有効な対策でした。
ヤマカガシは非常に憶病な性格なので、人が近づくと隠れてしまうそうです。
頸から毒を飛ばそうとするのも自分の身を危険から守るため。
だからこちらから捕まえようとしたり、攻撃したりしない限りは噛まれることはないそうです。
これなら安心ですね。
ヤマカガシは水田の減少や餌のカエルの減少により、数が減ってきていると言われています。
そうしたヤマカガシを守るため、そして自分自身を守るためにも、こちらから近づかない、攻撃しないということが何よりも大切です。
ちなみに万が一噛まれてしまった時の対策としては、流水で洗いながら血を絞り出すなどがありますが、一番はすぐに病院に行くことです。
自分で判断せずにすぐに病院に行って、診てもらうようにしてくださいね。
【まとめ】
今回はヤマカガシについてまとめました。
マムシやハブよりも強い毒を持つ蛇なんてなんて恐ろしい蛇だと思いましたが、調べてみるときちんと気を付ければ大丈夫な蛇であるということがよく分かりました。
ヤマガカシを守るためにも、自分自身の安全を守るためにもこうした知識をしっかり持って暮らしていきたいですね。