海遊館といえばジンベエザメ 死亡も乗り越えたその歴史について
「大阪の水族館といえば海遊館。」「海遊館といえばジンベエザメ!」
と思っている方も多いのではないでしょうか。
私も海遊館が好きで何度か行っているのですが、やはり一番好きな場所はジンベエザメがいる巨大水槽です。
あの迫力は本当に圧巻で、ずっと見ていても飽きることがありません。
そんな海遊館ですが、実はジンベエザメが相次いで死亡してしまい、海遊館にジンベエザメがいなくなってしまうという事態もありました。
今回は、そんな海遊館のジンベエザメとの関わり、ジンベエザメがいなくなってしまった時の状況、今の海遊館の取り組みについてまとめていきます。
これを知ることで、より海遊館を楽しめると思いますのでぜひ読んでみてくださいね。
海遊館とジンベエザメの関わり
海遊館がオープンしたのは1990年の7月20日です。
もう30年以上前のことになるんですね!
海遊館に行ったことがある人は知っていると思いますが、ジンベエザメのいるあの巨大な水槽。
最大長34m、深さ9m、水量5400㎥というもので、当時は世界最大の水槽でした。
また、現在日本でジンベエザメを見られる水族館は数少なく、下記の4つだけです。
(2021年7月時点)
①のどじま水族館(石川県)
③いおワールドかごしま水族館(鹿児島県)
それもあり、ジンベエザメが見られる海遊館はとても人気となっています。
海遊館のオープン当時にいたのはメスのジンベエザメで、その後何代か入れ替わりもありました。
オスだったら海くん、メスだったら遊ちゃんと名付けられることになっており、代々引き継がれています。
名前を引き継いでいくって何だか愛情が感じられて良いですね!
でもそもそもなぜ海遊館がジンベエザメを飼育しているのか、皆さんは知っていますか。
私は知らなかったのですが、今回調べてみてますます海遊館に興味が湧きました。
海遊館がジンベエザメを飼育している理由は、「ジンベエザメの生態の解明のため」です。
育てたジンベエザメを故郷の太平洋に放流して、生態を調べています。
放流する際に、背びれに小型の記録装置をつけて、ジンベエザメがどこをどのように泳いでいくのかという経路を探るそうなんですね。
それと同時に水深、水温などのデータも収集するそうです。
今までの調査では、ジンベエザメが水深1500メートルまで潜ることや、フィリピンまで泳ぐことなどが分かっているそうです。
ジンベエザメの生態ってそのように研究されているんですね。
個体数が少なくなってきているジンベエザメを守るため、回遊経路や繁殖について明らかにする必要があるそうです。
海遊館がジンベエザメを飼育していることには、このような理由があったんですね。
失われつつあるものを守っていく、これはとても大切な取り組みです。
改めて海遊館は素晴らしいなと思いました。
ジンベエザメの死亡
ジンベエザメの飼育に積極的に取り組んでいる海遊館ですが、ジンベエザメが一頭もいなくなってしまうという大変な時期もありました。
それは2014年のことです。
2014年に天ちゃん(メス、推定5~6歳)と遊ちゃん(メス、推定7~8歳)が死亡しています。
天ちゃんは4月頃から体調不良を起こし、7月12日に悪化してしまい13日に死亡。
遊ちゃんは5月頃から食欲が低下し、7月16日に死亡。
2匹とも高知にある「大阪海遊館 海洋生物研究所以布利センター」に移して治療したそうですが、無理だったようです。
ジンベエザメが一頭もいない。
そんな深刻な事態に当時ネットでは、
「悲しい」「さみしい」「辛い」「海遊館のシンボルなのに・・・」
という声が多くありました。
今年は先月の17日に沖縄の美ら海水族館のメスのジンベイザメが一頭死亡したというニュースがありました。
13年2カ月の間飼育されていて、国内で最も長く飼育されたジンベエザメだったそうです。
今はオスの一頭がいるそうですが、それでもやはり寂しいですね。
海遊館では、その後2014年8月に新しいジンベエザメがやってきました。
治療期間も考えると、約3カ月もの間ジンベエザメがいなかったということになりますね。
ジンベエザメが海遊館に帰ってきた時の反応は、「海遊館にジンベエザメ帰ってきた!!」「早く見に行きたい!!」など、ジンベエザメを待ちわびていた声がとても多かったです。
ちなみにジンベエザメの死因としては、胃潰瘍、胃の中の出血、食欲不振、あごの骨格構造の異常による節餌障害などがあるそうです。
飼育される方はジンベエザメが健康に過ごせるよう、並々ならぬ努力をして下さっていると思いますが、異常があってもなかなかすぐには調べられないので、本当に大変なことだと思います。
海遊館のジンベエザメに関する取り組み
海遊館ではジンベエザメについてくわしく知ってもらうため、様々な取り組みをされています。
ここではそうした取り組みについてご紹介します。
- 海遊館日記
https://www.kaiyukan.com/connect/blog/
これは海遊館で働く飼育員の方のブログです。
ジンベエザメ以外にも海遊館にいる様々な生物たちについて、色々な情報を書いてくれていますので、興味のある方はぜひ見てみてくださいね。
- 海遊館ニュース
https://www.kaiyukan.com/connect/news/news_join.html
これは海遊館に関わるニュース、出産やイベントについてなど様々な情報が載っています。
ジンベエザメについては、2020年11月に「ジンベエザメの全長を実測しました!」というニュースが最新で載っていました。
- グループでおとまり
これは夜の海遊館を見学し、飼育員の方が解説してくれるというイベントです。
何と太平洋水槽の前でジンベエザメの泳ぐ姿を眺めながら、寝袋を使って寝ることができるそうで、とても面白いイベントですよね!
2020年3月に2回行われたようですので、コロナウイルスが終息したら、ぜひまたこうしたイベントもやってほしいですね。
これはジンベエザメについて楽しく学ぶことができるスペシャルトークイベントです。
2020年3月に予定されていて、残念ながら延期になってしまったそうですが、こうした取り組みもジンベエザメについて知ってもらいたい!という海遊館の気持ちがよく表れていると思います。
こちらもぜひ開催してほしいですね!
【まとめ】
調べるまでは、「海遊館でジンベエザメが見られるのは当たり前」なんて思っていたのですが、ジンベエザメを見ることができるのは当たり前のことではなくて、とても貴重なことなんだなと考えさせられました。
色々な方々の努力の結果、あの素晴らしい大水槽を見ることができるので、ぜひ今度海遊館に行った際は、大水槽の前でゆっくり過ごしてみてくださいね。